橘玲の『「読まなくてもいい本」の読書案内』を読んだので、感想とメモをまとめておく。
この本、タイトルは『「読まなくてもいい本」の読書案内』だが、実際には「読まなくていい本」はほとんど紹介されていない。紹介されているのは、当たり前の話かもしれないが読むべき本だ。他の読書案内本と異なっているのは、”こういう本は読まなくて良い”と、ばっさり切り捨てているところ。読むべきか・読まなくてもよいかの基準は、20世紀後半に爆発的に進歩した科学研究の成果に置いている。著者は、この時期に起きた科学研究の大幅な進歩を”知のビッグバン”、”知のパラダイム転換”と呼び、これ以前に書かれた本は(とりあえず)読む必要がないと言い切る。古いパラダイムで書かれた本は捨てて、新しいパラダイムで書かれた本を読もうという話だ。ちょっと乱暴な分け方ではあるが、1980年代に大学生だった私には案外納得できるものだった。学生時代に最先端の科学パラダイムとして友人たちと議論したようなものが、いくつもこの本には登場する。
読書案内ではあるものの、この本自体がそれぞれの理論の解説書にもなっているので、これ1冊読むだけで一通りの理解が得られる。それぞれの理論が生まれてきた背景や、理論を作り出した人物、過去の理論がどのように組み合わさって新しい理論が生まれたか、なども解説されているため、たいへんわかりやすいし、読んでいておもしろかった。とりあえずこれ1冊よんでおいて、さらに深掘りしたいテーマについては、紹介されている書籍をあたれば十分だろう。
では、以下メモ。
1. 複雑系
ポストモダンはデタラメだったねという話から複雑系へ。
マンデルブロによる正規分布とは異なるべき分布の研究の話。リーマンショックが起きたのは、市場が正規分布ではなくべき分布になるから。
マンデルブロが発見した「世界の根本法則」とは、複雑さにも秩序があるということ。
自然界の根本法則はフラクタル。フラクタルとは、自分を複製する自己相似によって自己組織化し、複雑さを生み出すこと。そこには必ずべき分布がある。
マンデルブロはフラクタルを数式ではなくコンピュータグラフィックスで表現した。フラクタル幾何学、マンデルブロ集合。
自分を自分に取り込むことをフィードバックという。単純な規則から複雑な組織が生まれるのはフィードバックを繰り返すから。
マンデルブロはフラクタルが自然界だけではなく人間社会をも支配していると考えた。
フィードバックによって自己組織化するネットワークは複雑系と呼ばれる。
複雑系は自転車の車輪のようなハブ&スポークの構造になっている。
ハブ&スポーク型のネットワークの特徴は、離れているように見えても実際は近いということ。これが複雑系のスモールワールド。
フィードバック効果によってハブができれば、どんな組織でも同じ構造になる。
世界はネットワークで、それを動かしているのはハブ。
マンデルブロは複雑系という言葉は使わず、ラフネス(複雑さ)という言葉を使う。
カオスとフラクタルは同じものだが、科学者の功績争いの結果別のものになってしまっている。
- 『フラクタリスト --- マンデルブロ自伝』(早川書房)
- 『禁断の市場 --- フラクタルでみるリスクとリターン』
- 『ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質』、『ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質』、世界金融危機を複雑系で論じた
- 『フラクタル幾何学(上) (ちくま学芸文庫)』、『フラクタル幾何学(下) (ちくま学芸文庫)』
- 『カオス―新しい科学をつくる (新潮文庫)』
- 『複雑系』(新潮文庫)
- 『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』、入門書
- 『偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)』複雑系の最先端
- 『新装版 サイエンス・ウォーズ』、ポストモダンをめぐる論争
2. 進化論
進化とは、遺伝的変異と自然選択で繁殖度(包括血縁度)を上げることによって、生物が環境に適応するよう多様化する過程のこと。
進化論はものすごく単純な理論、だからこそ強力。
自然選択の原動力は、できるだけ多く血縁(自分と同じDNAを持つもの)をつくること。これを包括適応度という。
生き物は包括適応度を最大化するように進化する。
遺伝子は、自分と同じ遺伝子をできるだけ多く複製するように進化する。
すべての生き物は、遺伝子を後世に引き継がせるための遺伝子の乗り物。利己的な遺伝子
生き物は「遺伝子のコピーの最大化」というゲームを行うプログラム。
ゲーム理論より、進化は遺伝子の複製を最大化する合理的な戦略だけを選択していく。これを進化的に安定な戦略(ESS/Evolutionarily Stable Strategy)と呼ぶ。
遺伝学と結びつくことで、生き物の生態を数学的に記述できるようになった。社会生物学、理論生物学
さらにゲーム理論を拡張し、経済学を導入した。進化生物学
経済学における効用はお金、生物学の効用は遺伝子の数。
生き物の戦略は遺伝子という効用の最大化。したがって、生態系は投資や市場取引として経済学的に説明できる。
社会生物学がその対象をヒトまで拡大した。→社会問題となる。
心や感情も進化によって生まれた。進化心理学
進化心理学は進化生物学の直径で、進化論の心への拡張。
感情も進化の過程でつくられ、遺伝的にプログラミングされている。
ゲイの乱交とレズビアンの一婦一婦制は、男性と女性の進化論的な戦略の違いが純化した結果。
進化論は行動経済学やビッグデータ、脳科学と結びついて強力なマーケティング技術を生み出している。
- 『進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))』、進化生物学の入門書
- 『進化と人間行動』、進化心理学の入門書
- 『進化論という考えかた (講談社現代新書)』進化論全般の入門書
- 『進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 (ハヤカワ文庫NF)』、ドーキンスの入門書
- 『利己的な遺伝子 <増補新装版>』、ドーキンスの代表作
- 『好奇心の赴くままに ドーキンス自伝I: 私が科学者になるまで』、ドーキンスの自伝
- 『祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 上』、『祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 下』
- 『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)』、ドーキンスのライバルの本
- 『生物の社会進化』、進化生物学
- 『進化とゲーム理論―闘争の論理』
- 『進化遺伝学』
- 『生物学のすすめ (ちくま学芸文庫)』、数式を用いず説明
- 『社会生物学論争史〈1〉―誰もが真理を擁護していた』、『社会生物学論争史〈2〉―誰もが真理を擁護していた』
- 『理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ』、ドーキンスとグールドのが題材
- 『ダーウィンの危険な思想―生命の意味と進化』
- 『人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)』、『人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス)』、『人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス)』、進化心理学の入門書
3. ゲーム理論
ゲーム理論は、自然界や人間界で起こるさまざまな相互作用(対立と協調)を数学的なゲームとして説明する。
ゲーム理論では、現在の戦略をどちらも変更する余地がない状態を均衡という。
ゲーム理論でのシグナリングとは、相手に自分の意図を言葉ではなくシグナルで伝えること。
ゲーム理論はフォン・ノイマンがポーカーを数学的に分析しようとして考えだした。
ゲーム理論でのコミットメントとは、相手に「どんな犠牲を払っても実行する」と信じさせること。
ゲーム理論では、利害関係のある相手と取引をする状況を戦略的環境とし、そのなかで最適な戦略はなにかを考える。これが均衡。
均衡では、自分も相手も現状より多くを獲得できないという意味でお互いに満足している。
均衡は平等とは限らない。不公平なことのほうが多い。
均衡がみんなにとって最適になるとは限らない。
どんなゲームにも必ず1つは均衡があるし、複数あることもある。
ナッシュ均衡とは、他のプレイヤーの戦略を所与とした場合、どのプレイヤーも自分の戦略を変更することによってより高い利益を得ることができない戦略の組み合わせのこと。
ゲーム理論はポーカーの数学的分析を経済学に応用しようとしてはじまった。
ゲーム理論は、戦争の戦略や生き物の生態の説明に圧倒的な力をみせた。
ゲームの必勝法は、自分の情報を相手に与えず、相手の情報だけを手に入れること。
進化心理学を取り入れることで、行動経済学がうまれた。
ファスト思考=直感、スロー思考=理性
行動経済学は人間の不合理についての理論。
人間は、数学的合理性と進化論的合理性を使い分けている。
進化論的には合理的だが数学的には不合理な行動を取る人間をモデルにつくられたのが、行動ゲーム理論。従来のゲーム理論を拡張したもの。
ゲーム理論が強力なのは、この世界がゲームの集合体だから。
統計学の最大の特徴は、理論がなくても正しい答えを導けるところ。
統計データの解析からまず正解を発見し、なぜそうなるのかはあとから考えればよい。
近代経済学は、行動ゲーム理論と統計学(ビッグデータ)によって書き換えられつつある。
- 『ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)』
- 『高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)』、ゲーム理論の入門書
- 『戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)』、ゲーム理論の入門書
- 『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』
- 『戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法』
- 『行動ゲーム理論入門』、行動ゲーム理論の入門書
- 『ゲーム理論による社会科学の統合』
- 『制度と進化のミクロ経済学』
- 『行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)』
- 『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』、『ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』
- 『統計学が最強の学問である』、ITと統計学の融合についての入門書
- 『ヤバい経済学 [増補改訂版]』
- 『その問題、経済学で解決できます。』
- 『その数学が戦略を決める (文春文庫)』、ビッグデータ
- 『NUMERATI(ニューメラティ) ビッグデータの開拓者たち』
4. 脳科学
デカルトは、主観(意識の還元)と客観(脳の還元)の対立という近代哲学最大の難問にたどり着く。これは「心身二元論」「心脳問題」と呼ばれるもので、現代に至るまで解決されていない。
近代科学の最大の武器は還元主義。
ニューロンの仕組みは解明されている。そこで生じるのは物理現象。この物理現象が大量に生じると、なぜ意識が生まれるのか? 心脳問題の最高の難問。
クオリアとは生の実感のこと。心脳問題は、デジタルな情報交換からなぜクオリアが生じるのか、と言い換えることができる。
ヒトの判断には理性よりも感情が圧倒的に大きな影響力を持つ。
心というのは、視覚・聴覚・触覚などによって外界を認識する機能のことではない。知覚にクオリアが伴ってはじめてヒトは生きていると意識することができる。
意識が成立するには、データの量だけではなく、それがどのように統合されているかが重要。
コンピュータが意識を持たないのは、プログラムが逐次処理されていて全体が統合されていないから。
鳥や哺乳類は、脳内のデータ量はわずかでもネットワークが統合されているため、その複雑さに応じて意識を有している。
情報統合理論では、意識はヒトだけが特権的に持っているのではなく、ネットワークに固有の性質。
トラウマ理論はデタラメ。
フロイトの理論の大半はデタラメ。
矛盾する認知に直面した状態を認知的不協和と呼ぶ。この状態になると自意識は自己正当化を行う。自己正当化は無意識下で行われるので、自分の嘘に気がつくことはない。
進化心理学では、心はシミュレーション・マシンと考える。
シミュレーションとは、コンピュータのif...then...プログラムのこと。
ヒトは生きている限り、if...then...の思考をひたすら繰り返している。
瞬間的な判断はすべて無意識が決めていて、自由意志などというものはない。
脳のネットワークは単純な規則から自己組織化する複雑系のスモールワールドで、その複雑性から意識が立ち上がってくる。
ニューロンから意識に至る過程にも、個人から市場や社会に至る過程にも、あらゆる場面で進化や遺伝の力が働いている。
遺伝学、脳科学、進化心理学、行動ゲーム理論、行動経済学、統計学、ビッグデータ、複雑系などの新しい知は、進化論を土台として1つに融合し、ニューロンから意識、個人から社会・経済へと至るすべての領域で巨大な知のパラダイム転換を引き起こしている。
- 『進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)』、脳科学の入門書
- 『単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)』、脳科学の入門書
- 『サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)』
- 『「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)』
- 『サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)』
- 『意識をめぐる冒険』、脳科学の最先端
- 『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』、脳科学の最先端
- 『フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する』、意識の計測技術など
- 『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)』、脳の不思議についてのエッセイ
- 『妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』、脳の不思議についてのエッセイ
- 『脳のなかの幽霊 (角川文庫)』、中級編
- 『デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 (ちくま学芸文庫)』、中級編
- 『心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く』、哲学の視点から
- 『マインド―心の哲学』、哲学の視点から
- 『意識する心―脳と精神の根本理論を求めて』、哲学の視点から
- 『解明される意識』、哲学の視点から
- 『知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合』、社会生物学のウィルソンの本、ちょっと古い
- 『心の仕組み 上 (ちくま学芸文庫)』、『心の仕組み 下 (ちくま学芸文庫)』、進化心理学から
- 『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』、複雑系の社会学の入門書
- 『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』、複雑系の社会学の入門書
- 『複雑で単純な世界: 不確実なできごとを複雑系で予測する』、複雑系の社会学の入門書
5. 功利主義
トレードオフがある以上すべての人が満足することはありえないから今より状況が改善できればそれでいい、こういう考え方を功利主義という。
哲学者ジェレミ・ベンサムが言い出したことで、最大多数の最大幸福の原理として知られている。
功利主義の特徴は幸福が計算可能だと考えること。この数えられる幸福が効用で、効用を最大化するのが功利主義。
功利主義と経済学とは一体のもの。
二人でパイを分けるときに最大多数の最大幸福を実現するには、1.パイを大きくする、2.パイを全員が満足するように分ける、3.ゲーム理論を使って最適なルールを決めれば良い、という3つの原則が導き出せる。こういう考えを設計主義という。
功利主義にも何らかの正義の基準が必要。
正義は娯楽である。ヒトは正義の行使を娯楽=快楽と感じるように進化してきた。
正義とは、進化の過程のなかで直感的に正しいと感じるようになったもののこと。
ヒトには自由・平等・共同体の正義感覚がある。ここから3つの政治的立場が生まれる。1.自由を求める自由主義、2.平等を求める平等主義、3.共同体を尊重する共同体主義。
自由主義・平等主義・共同体主義の3つのほかにもう1つ存在する政治思想が功利主義。
功利主義の大きな特徴は、他の3つの主義とは異なって進化論的な基礎付けを持たないこと。
政治思想を理解する出発点は、すべての理想を同時に実現することはできないというトレードオフ。
自由を追求すると必然的に格差は大きくなる。それを平等にしようとすれば国家が徴税などの暴力によって市場に介入するしかない。自由を犠牲にしない平等はありえない。
正義についての政治的対立とは、みんなの間で幸福と不幸をどのように分配するのかという問題のこと。
ロールズの格差原理:社会的・経済的な不平等が許容できるのは、もっとも不遇な立場の人の利益が最大化されているときだけだ。
センの人間の安全保障:すべての人に最低限の機能が分け与えられ、潜在能力を発揮できるようになること。
センは効用ではなく機能と潜在能力を基準にして公平ではなく衡平な社会をつくるべきだという。
衡平とは、ひとびとの機能や潜在能力が等しくなり、釣り合いのとれた状況のこと。
社会をより良いものに設計しようとすることをマーケットデザインという。
パレート効率性:誰かの効用を犠牲にしなければ他の誰かの効用を高めることができない状態。
いいかえると、誰の不利益にもならずに今より幸福になれるなら、それは皆にとってもいいことだ。
個人合理性とは、抜け駆けができないという基準のこと。
対戦略性とは、正直に伝えることが最もいい結果を生むような分配方法になっていること。
マーケットデザインでは、パレート効率性と個人合理性の両方の基準をクリアした分配方法をコアと呼ぶ。
マーケットデザインとは、市場の機能が使えないときにゲームを上手にデザインすることで市場と同じようなコアの分配を成立させる技術のこと。
社会選択理論における不可能性定理:どのような分配方法でも対戦略性を満たしたコアを実現することはできない。
最適な分配を考えるときには、パレート効率性・個人合理性・対戦略性のどれか1つをあきらめなければならない。
マーケットデザインを使えば、市場でうまく扱えないものでも、市場取引と同様の効率的な分配ができる。
マーケットデザインを用いて法律をつくろうというのが世界の主流になっている。
個人の自由な選択を認めつつ、社会全体の効用を最大化するよう制度を設計すべき。
ナッジ:選択肢を奪ったりルールで禁止するのではなく、仕組み(デザイン)を変えることでひとびとをより良い選択肢に誘導していくこと。
Nudge:(ひじなどで)そっと相手を押す。
ナッジはパターナリズム、国家が生き方を教えてやるという上から目線。
これはバカの自由が最大限配慮されているので、リバタリアン・パターナリズム(自由主義者のおせっかい)と呼ばれる。
アーキテクチャは無意識の管理を目標とする、刑務所の一望監視装置。
アーキテクチャによる統治とは、テクノロジーを用いて物理的にひとびとの行動を制約することで紛争そのものをなくしてしまうこと。
自由主義(リバタリアン)・平等主義(リベラル)・共同体主義(コミュニタリアン)の全員を納得させることができるのは、そのすべてを包括する新しい功利主義しかない。
新しい功利主義は、話し合いよりもテクノロジーの活用を選択する。
シリコンバレーに生息する科学とテクノロジーの力で世界を変えられると信じる人達のことをサイバー・リバタリアンと呼ぶ。
サイバー・リバタリアンが思い描くテクノロジーのユートピアが唯一の希望?
- 正義論
- アナーキー・国家・ユートピア―国家の正当性とその限界
- ロールズ (「現代思想の冒険者たち」Select)、入門書
- いまこそロールズに学べ 「正義」とはなにか?、入門書
- 自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)、入門書
- これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)、コミュニタリアニズムの入門書
- 功利主義入門―はじめての倫理学 (ちくま新書)、初心者向け
- 統治と功利、功利主義の可能性と恐ろしさを知る本
- 人間の安全保障 (集英社新書)
- 幸せのための経済学――効率と衡平の考え方 (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ)、入門書
- マーケット・デザイン オークションとマッチングの経済学 (講談社選書メチエ)、入門書
- マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書)、入門書
- 学校選択制のデザイン―ゲーム理論アプローチ (叢書 制度を考える)、マーケットデザインの具体的な応用例
- 実践 行動経済学
- CODE VERSION2.0、アーキテクチャの基本文献
- 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫)、政治にインターネット技術を適用することを提言
- 自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅 (ちくま新書)
- 自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う (筑摩選書)
- シンギュラリティは近い [エッセンス版]―人類が生命を超越するとき
- 不死テクノロジー―科学がSFを超える日、読み物
- サイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能か、最新情報
- ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか、サイバー・リバタリアンのマニュフェスト
- テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?
- 啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために