2005年1月12日水曜日

著者捕獲

正月明けから連絡が取れなくなっている著者がいる。メールを書いても返事がこないし、携帯電話も電源が切れたままだ。

このままだと今進めているムックの原稿が落ちてしまう!



いろいろ著者の知り合いに当たって連絡を試みたがすべてダメ。しかたなく著者の家に原稿の取立てに行く。



夜8時、会社を出発。住所のメモを見つつアパートを探すが、それらしきものが見つからない。同じ区画をぐるぐる歩き回り、ようやくここかなぁという部屋を見つける。

しかし、表札も何も出ていないし、窓にはすべてシャッターが下りていて明かりも漏れていない。いるのか? まさか中で死んでたりしないだろうな。



そっとドアに近づき耳を澄ます。しばらくして、中からカチャカチャというキーボードの音が聞こえてきた。 ビンゴ! ここだ、いる!

さぁ、どうする。下手に名のると居留守を使われるかもしれない。宅急便を装う手もあるが、すでに夜9時をだいぶ回っているし、逆に怪しまれかねない。しばし黙考。

よし、声はかけるが名のらない、これでいこう。



ドアをノックする。返事がない。

強くドアをノックする。返事がない。

ドアをノックし、声をかける。「すみません。」

キーボードの音が止まった。

さらに大きな声をだす。「すみません!」

がさがさと音がして、ドアが開き、著者が出てきた。

「あっ!」著者が叫ぶ。目が泳いでドアを見た。閉める気か? 足を差し込もうと身構えたが、あきらめたようにドアから手を離した。



あとは話し合うだけ。とりあえず、今夜中に原稿をあげることで決着した。

が、いまだに原稿は来ない。また今夜も行くのか?

その後昼過ぎに原稿がきた。とりあえず一安心。

2 件のコメント:

  1. すごい、こんなドラマのような事って本当にあるんですね。

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  2. 雑誌の編集をやっていた頃は、しょっちゅう著者を追っかけていましたけど、書籍担当になってからは平和な日々が続いていたのでした。

    原稿が書けなくても、ちゃんと連絡さえとってくれれば問題はないのに。どうして著者は逃げるのだろう?

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