会場が電気通信大学だったので、自宅から自転車で出かける。都内その他からくる人たちはたいへんだろうけど、調布市民にとっては実に楽チン。こんなイベントはめずらしい。
実に濃い内容のカンファレンスで、来てよかったという感じ。ただ、オフレコが多かったので、ブログに書けないのが実に残念。
とりあえず、メモ。
■徳力さんのSkypeのビジネスモデルについての話
- 既存の通信事業者のIP電話は自社ネットワーク内の通信を無料にして、他社ネットワークとの接続料を取っている。
- この点はSkypeもまったく同じ。インターネット内を無料にし、他社電話網との接続料を取っている(SkypeIn、SkypeOut)
- 違いは、SkypeがP2P技術を用いることでインフラコストをなくしている点。
- ただ、Skypeも儲かるようになってから徐々にサービスをサーバサイドに移してきている(Voicemailとかコンタクトリストをサーバに置いたりとか)
- 既存の通信事業者は顧客一人当たりからいくら儲けるかを考えているが、Skypeは従業員一人当たりいくら儲けるかを考えている。GoogleやYahoo!も同じ考え方をしている。
- Skypeが普及した理由は3つ。音質がいい、簡単、無料。
- SkypeInとVoicemailのサービスで、Skypeは携帯電話と同等になる。
- SkypeInを使うと、シリコンバレーの電話番号にかけた電話を日本のPCで受けることができるようになる。電話番号と国、場所などの意味がなくなる。
- Skypeのライバルは少なくない。MicrosoftのMSNメッセンジャー、GoogleのGoogleTalk、etc。特にMSにはOSとのセット販売という裏技がある。
- さらに通信事業は国の政策にかかわるものなので、規制当局とも戦う必要がある。実際に自国の通信事業者を保護するためにSkypeを禁止している国(メキシコとか)もある。
- 一歩まちがうとかつてのNetscapeのように負け組みになってしまう可能性もある。キャズムを超えようとしている今が正念場。
■池嶋氏のP2P通信の秘密
- Web over P2Pというのができないか?
- 巨大なWebサイト、たとえばWikiPediaみたいなものをP2Pでやれないかと考えている。
- Skypeのコンタクトリスト管理にはDHT(分散ハッシュテーブル)が使われているのではないかと推測している。
■Skype社に移った岩田さんの話
- Skypeエコシステムを作りたいと考えている。
- Public APIとCertification Programでパートナー企業と共存していく。
- 新しいAPIであるApp2AppでSkypeネットワークに独自のプロトコルを流せるようになる。Skypeはインフラ。
- Skype Web、Skype Net APIなどのAPIがそろうと、Skypeのオーバーレイネットワークを作ることができるようになる。
- Skype API関係の情報はこちら
■P2P SIPの話
- SIPとはVoIPの標準プロトコル
- P2P SIPとはSIPサーバの機能をP2P技術を用いて分散させたもの
- SPIT(Spam over Internet Telephony)
- P2P SIPはIETFで標準化が進められている。
- P2P VoIPは中でなにをやっているのかわからないものが多いので、研究はまだまだこれから。
■横田さん、清成さんの話
- Skypeの情報源(Skype News)
- 台湾のHTCという会社が世界のスマートフォンの80%くらいを作っている!
- HTCの名前は表には出てこない。
- HTCはMicrosoftの工場とも言われていて、MSで新しい技術が出るとすぐにそれを製品化している。
- HTC Universalという最新機種はもしかすると日本でも使えるかも?
- 無線LANとSkypeをインストールしたWindowsCEマシンでSkype Homeを実現。
- Skype for Videoはすごい!
■パネルディスカッション
- Niklasの言葉「スキー場の経営者は春が来ると困るだろうが、春は必ずやってくる」
- 岩田さん「これだけブロードバンドが普及している国にSkypeInがないのは恥ずかしい」
- めりはりネットワーク:必要に応じてネットワークの品質を選んで使うようになればよい。
- 岩田さん「Skypeがソフトであることは大きい、PCで動けば世界中のギークがいじることができる。GoogleやMSの裏技よりも個人が起こすうねりのほうが大きくなると思う」
- 清成さん「040などの新しい番号をSkypeのようなベストエフォート型の保証のない電話につけてしまえばよい。つながればラッキーくらいの感じで使えば問題なし」
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