10月19日にjusの勉強会「現場力を高める見える化手法 プロジェクトファシリテーション」に参加してきた。
http://www.jus.or.jp/benkyokai/06-10.html
ずいぶん日にちがたってしまったが、メモをまとめておこう。
講師は株式会社永和システムマネジメント/株式会社チェンジビジョンの平鍋健児さん。
株式会社永和システムマネジメント株式会社チェンジビジョン
オブジェクト倶楽部
平鍋さんのブログ:An Agile Way
平鍋さんは、マインドマップとUMLを融合させたJUDEというJavaの開発ツールを作っている。JUDEには以前から注目していたので、今回の勉強会は楽しみだった。講演は期待以上におもしろかったし、懇親会では平鍋さんといろいろ話せてよかった。
以下、講演のメモ。なぜ見える化か?
・プロジェクトの成功はMoving Target
・ゆれるはしごに乗ってゆれるリンゴをつかむようなもの
・見えなければ制御できない。適応できない。改善できない。
見える化
・情報がぱっとわかる
・「現在の状況」も「結果」もわかる
・野球のスコアボード:静の情報が1カ所に大きく書かれていて、選手も客も審判もこれを見ている
見える化の実践
・見える化はアナログでやる
・みんなが見る
バーンダウンチャート
・進捗の見える化
・行動をうながすツール
・異常を見えるようにする→レッドゾーンを作る
・1週間ごとに作る
・繰り返しのリズムを作る
かんばん
・作業の見える化
・やることをリストアップ(ボードに付箋を貼る)
・ToDo(未実施)、Doing(実施中)、Done(テスト完)の3列に分けて管理する
・自分で付箋を取ってサインする→モチベーションがあがる。責任感、コミット
・ポータブルかんばんも便利(スーツにもベストフィット!)
・ソフトウェア開発は目で見にくい→物理的な物に置き換えて見えるようにする
朝会
・作業の明確化
・毎朝やる、リズムを作る
・かんばんの前で行う
・立ったままでやる
・時間は15分間
・議論が起きたら2次会へ回す
・部外者は参加させない(ピッグは参加、チキンは参加させない)
・ピッグ:自分の身を削ってベーコンを作る
・チキン:自分の身は削らず、卵を出すだけ
http://www.ObjectClub.jp/community/pf/
あんどん
・異常の見える化
・異常を後に伝えない。その場で止める。
・欠陥の長期滞在を排除
・トヨタのやり方
・全受け入れテストを自動化し、バッチで流す。異常があれば即表示、原因追及。
・例:テストが通らないと点灯するランプ
・例:トラブルが起きると点滅、トラブルの内容をメンバーに周知すると点灯、トラブルを解決すると消灯
・このような道具をXFD(eXtreme Feed Device)と呼ぶ
だるま
・目標の見える化
・だるまの目は、beginとend
ペアボード
・ペアの討議内容の見える化
・小型のホワイトボード、1人1枚ずつ持つ
・「これはお前の問題だろう」を避ける
・2人でホワイトボードに書かれた問題に向かう(問題vs.私たち)
・100円ショップでホワイトボードのシールを売っている
色付きUML
・ソフトウェア内部構造の見える化
・UMLでなくてもよい
・ソフトウェアの全体構造がわかるものを壁に貼る
・指で指せるようにする
・日本でUMLを使っているのは10%くらい
ふりかえり(1週間)
・1週間の最後にやる
・改善の気づき
・Keep(良い点)、Problem(悪い点)、Try(次回挑戦)を出す
・ホワイトボードをKeep、Problem、Tryに3分割して行う
・Keepは定着する。ProblemはTryを生み出す
・定着した物には名前を付ける
・カジュアルな雰囲気で全員が発言するようにする
・「問題vs.私たち」にする。あなたと私の話にしちゃだめ
・イテレーション=1週間
ふりかえり(プロジェクトやリリース後)
・プロジェクトやリリースの回顧
・ふりかって前を向く
・ホワイトボードにプロジェクトの時間(日付)を書き、ここに個人の物語を付箋に書いて貼る
・付箋の色で感情を表す。青=喜び、赤=怒り、黄=驚き
・自分の物語からぼくらの物語にする
・プロジェクト終了後のヒーリング
・このあと打ち上げをやる。飲み会重要!
マインドマップ
・頭の中の見える化
・思い出す為のフックになる。プレイバック効果
KY(危険予知)ミーティング
・時間がなかったので、このトピックは話してもらえなかった
・建設/土木現場で行われるリスク管理手法
SKMS(Structured Knowledge Management System)
・これも上記同様、話してもらえなかった
・複数人の頭の中を一気にまとめる
にこにこカレンダー
・チームのムードを見える化
・帰宅時の気分をシールで表して貼って帰る
・気持ちよく仕事を終えられた、普通、だめだめ、の3種類
見えなければ行動ができない
・とにかく壁に貼れ
・進捗はバーンダウンで
・日々の作業はかんばんで
・朝会を行い、作業を自発的に宣言
・異常はあんどんで
・見える目標をおいて
・ペアボードで話し合い
・アーキテクチャは色付きUMLで
・イテレーションごとにふりかえり
・アイデアはマインドマップで
・リスク管理はKYミーティングで
・複数人のナレッジをSKMSで
プロジェクトファシリテーションとは
・平鍋さんの造語
・プロジェクトの中でのファシリテーションのあり方
・ファシリテーションとは、促進する、助ける、円滑にする、場を作る
・5つの原則:見える化、リズム、名前付け、問題vs.私たちの構図、改善
デッドフィッシュ:デスマーチになると会議をやっている真ん中に死んだ魚がいるのに、だれもその魚について話さなくなる。腐ってプンプン臭っているのに! →話せ!
トラックナンバー:プロジェクトのメンバーが何人トラックに轢かれてもだいじょうぶか? という数。ハネムーンナンバーとも言う。
ツール
・JUDE(http://jude.change-vision.com/)
・TRICHORD(http://trichord.change-vision.com/)
導入のポイント
・簡単なものからやってみる
・工夫する
・押し付けない
・若い人と一緒にやる
・ポストイットや模造紙くらい自分で買おう
・Life Hacks
・水にぬれずに泳ぐことはできない
・禅:修行と悟りは同じ
・やることとわかることは同時に起こる
参考文献
・『トヨタ生産方式 ——脱規模の経営をめざして』大野 耐一
・『XPエクストリーム・プログラミング入門 ——変化を受け入れる』ケント・ベック
・『リーンソフトウェア開発 ——アジャイル開発を実践する22の方法』メアリー・ポッペンディーク
・"Crystal Clear: A human-powered Methodology For Small Teams" Alistair Cockburn
・『アジャイルプロジェクトマネジメント ——最高のチームづくりと革新的な製品の法則』ジム・ハイスミス
・『達人プログラマー ——システム開発の職人から名匠への道』デビッド・トーマスほか
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